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【まるっと“超”基礎】ブロックチェーン⑤ STOの実例




株や債権、社債など、法的に証券にカテゴライズされるものは全てトークン化できると言われ、STOが適応できる分野は広いですが、米国では不動産のトークン化が既に始まっています。

コンドミニアム(ニューヨーク/マンハッタン)

銀行から全く借入をせず、トークンだけで資金を集めて建設された3億6500万ドルのコンドミニアム。

所有権が2500〜3000万枚のトークンに割り当てられており、少額(約14ドル程度)でもこの建物の所有権の一部に投資することができる。

ブローカー/ディーラーは通常の銀行借入とは異なり、債務をトークン化することで、建設の遅れや市場の変化、競合物件の勃発などに際しても、市場において通常のペースで販売を行う余裕を持つことができる。

トークンの発行〜販売のプロセスは概ね以下の通り。

ブロックチェーンのスタートアップ企業とブローカー/ディーラーが業務提携し、ブロックチェーン上に私的証券(Security token)を作り、建物の債権として販売。購入者はブロックチェーン上でそれを保持することも、売り払うこともできる。

理論的には、この悪名高い流動性のない市場にもっと流動性を生み出すだろうと言われている。

似たような取り組みとして、最近イギリスの会社がアンディ・ウォーホルの有名な絵画をトークン化した。現在100人がこの560万ドルの絵の31.5%を所有している。

絵画市場でこの絵の価値が上がると、トークンも同様になる。

不動産投資においては、このようなSTOでの資金調達はまだ一般的ではなく、今だに富裕層にしか開かれていないが、このようなブロックチェーンのイノベーションは、ビジネスのやり方や、私たちが所有するものを定義する方法さえ破壊する可能性がある。

ともかく、ブローカー/ディーラーにとって銀行はもはや必要なものではなくなっていく可能性が高い

(出典:Bloombergニュース)

   

高級リゾートホテル(コロラド州アスペン)

出典:rmcmc.com
出典:rmcmc.com

コロラド州ロッキー山脈に位置する高級ホテル、St. Regis Aspenの所有者である資産管理企業Elevated Returnsは、先日行われた証券トークン販売(STO)を無事完了し、1,800万ドル(約20億円)を調達したことを明らかにした。

今年8月末に、同社は実在する不動産St. Regis Aspenによって裏付けられた「証券トークンAspen Coin」を、認可された投資家を対象に、クラウドファンディングプラットフォームIndiegogoを介して販売した。

そして、この販売は、ICO(Initial Coin Offering)にちなんで、STO(Security Token Offering)と呼ばれ、米ドル、ビットコイン、イーサリアムでの購入が可能となっていた。

このSTOでは1,800万トークンが1トークン1ドル(約110円)で、最低単元10,000トークンで販売された。

今回販売されたのは、St. Regis Aspenの価値全体の18.9%であり、残りの81.9%は販売母体のElevated Returnsが管理すると記述された。

このトークンはERC-20トークン基準を採用するので、あらゆるイーサリアムウォレットで保有することができるが、その売却は、証券関連の規制に順守するためTemplum Marketsの代替取引システム(ATS)を介して行わなければならない。

不動産のトークン化という未来

このような実在する不動産をトークン化するような方法は、業界内でも先見的な取り組みであり、非常に注目されるべきものであると言える。

Elevated Returnsのディレクターを務めるJason Kirschenbaum氏は以下のようにコメントした。

「Aspen Digitalの今回の資金調達の成功は、資産に裏付けられた新規通貨の発行というだけでなく、将来的な不動産のトークン化に向けた大きな一歩であると言える。

今後の不動産投資は、国際的なアクセスを可能にし、高い透明性、流動性を持つ。これは、すべてブロックチェーン技術による恩恵であると言えるだろう。」

同じくElevated Returnsの創業者であるStephane de Baets氏(以下、)も、証券トークン販売(STO)こそが未来の投資ツールであると主張し、デジタル資産の存在は欠かせないと言及している。

その価値が内部的要因によって定義されるユーティリティトークンと比較して、証券トークンはその裏付けられている資産によって価値が定められる。

今後、不動産、証券や、債権、ベンチャーキャピタルファンドのような既存の資産の所有権もトークン化されていくことが期待され、流動性、透明性、セキュリティ、そして、国際的なアクセスの向上が見込まれている。

そして、今回の不動産のトークン化による証券トークン販売の成功はその実現に向けた大きな一歩であったと言えるだろう。

(出典:コインポスト「不動産トークン化の未来:高級ホテルが「STO」で20億円の資金調達成功」

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